2020年6月9日火曜日

OSイメージを用いてRaspberry Pi OSをインストールする

0. はじめに

本書では、Raspberry PiのOSである Raspberry Pi OS を、Raspberry Pi Imagerというソフトウェアを用いてインストールしました。このソフトウェアは、OSをmicroSDカードに書き込む時にOSのダウンロードも同時に行ってくれます。

職場や学校などでは、この方法でのOSのインストールに失敗することがあるようです。ネットワーク環境により、OSのダウンロードに失敗するためのようです。

そこで、職場や学校などでもOSのインストールが可能な方法を紹介します。Raspberry Pi Imagerを用いて、あらかじめダウンロード済のOSイメージをmicroSDカードに書き込むという方法です。

1. 拡張子の表示

イメージファイルによってOSをインストールする際、Windows において「ファイルの拡張子」を表示する設定にしておくのをお勧めします。 ファイルの拡張子とは、 ファイル名「2022-01-28-raspios-bullseye-armhf-full.zip」における「.zip」部や ファイル名「2022-04-04-raspios-bullseye-armhf-full.img.xz」における「.img.xz」部のことを指します。

Windows のデフォルトの設定では、この拡張子が表示されない設定になっており、そのままだと解説において混乱を招くと考えられるからです。

Windows 10 の場合、エクスプローラーを起動し、下図のように「表示」タブ内の「ファイル名拡張子」にチェックを入れることで、拡張子が表示されるようになります。
Windows 11 の場合、エクスプローラーを起動し、下図のように「表示」→「表示」とたどって、「ファイル名拡張子」にチェックを入れましょう。
以上の準備ができたら先に進みます。

2. 必要なものの準備

それでは、「Raspberry Pi OS のイメージで OS を インストールする」方法を解説します。まず、皆さんが普段お使いの PC で Raspberry Pi OS のイメージをダウンロードします。
にアクセスしましょう。

下図のようなページが現れますので、「Raspberry Pi OS with desktop and recommended software」の「Download」ボタンをクリックします。

すると、(執筆時点では)2022-04-04-raspios-bullseye-armhf-full.img.xz という名前の圧縮ファイルがダウンロードされます。
古いOSイメージを試したい場合、JAISTの下記のリンクをたどると良いでしょう。
あるいは、OSのバージョンを指定してダウンロードしたい場合、下記のリンクをたどると良いでしょう。 古い OS のファイルをダウンロードした場合、例えば「2022-01-28-raspios-bullseye-armhf-full.zip」というファイル名となっていることがあります。
まとめると、ダウンロードしたファイルは、OSのバージョンによって「ファイル名.img.xz」または「ファイル名.zip」のどちらかの名称であるということです。

本ページのタイトルに「イメージファイルを使って」とありますが、ダウンロードしたファイルはこの「イメージファイル」を「圧縮」したファイルです。圧縮の手法が、拡張子に表示されている「xz」や「zip」であるというわけです。

ですから、ここからの流れは通常ならば「圧縮ファイルを『展開』してイメージファイルを取り出す」→「イメージファイルを microSD カードに書き込む」 となります。しかし、本ページでは「展開」という作業は行わす、圧縮されたファイルのまま作業を続けます。 その理由は以下の二つです。
  • microSD カードに書き込むためのツール Raspberry Pi Imagerは、圧縮されたイメージファイルのままでmicroSDカードへの書き込みができる
  • xz で圧縮されたファイルは、Windows のデフォルト環境では展開できない
以下で、圧縮されたイメージファイルをそのまま microSD カードに書き込む方法を解説します。なお、便宜上「圧縮されたイメージファイル」のことを「イメージファイル」と呼ぶことがありますので、混乱しないようご注意ください。

3. Raspberry Pi Imager による OS イメージの microSD カードへの書き込み

ここでは、Raspberry Pi用OSのインストールソフトウェアであるRaspberry Pi Imager を用いてイメージファイルを microSD カードに書き込む方法を紹介します。
インストール済のRaspberry Pi Imagerを起動するには、検索窓で「ras」などと記入して現れるRaspberry Pi Imagerをクリックします。
さて、起動したRaspberry Pi Imagerで「OS (Operating System)」の部分の「OS を選ぶ (CHOOSE OS)」ボタンをクリックしましょう。現れた画面で下図のように「カスタムイメージを使う (Use custom)」を選択します。
すると、イメージファイルの選択画面になりますので、先ほどダウンロードしたファイルを指定します。下図は、ファイル「2022-04-04-raspios-bullseye-armhf-full.img.xz」を指定している様子です。なお、下図でファイル名が「.img.xz」の部分まで表示されているのは、本ページ冒頭で拡張子を表示する設定をしたためです。
次に、Raspberry Pi Imagerで、「ストレージ (SD Card)」の部分の「ストレージを選ぶ (CHOOSE SD CARD)」ボタンをクリックしましょう。microSDカードが接続済であれば下図のようにカードが現れますので、クリックして選択しましょう。

なお、外付けハードディスクなどをPCに接続しているとこの選択肢が複数現れます。microSDカードを表す適切な方を選択しないと皆さんの大切なデータが壊されてしまいますので注意して選択しましょう。
あとはRaspberry Pi Imagerで「書き込む (WRITE)」ボタンをクリックしましょう。「本当に続けますか?」という警告に「はい」を選択すると、 下図のように書き込み (Writing)が始まります。確認 (Verifying)までが終わると、書き込みが終了します。
下図の画面が出たらmicroSDカードを取り外し、その後Raspberry Pi Imagerを終了しましょう。取り外した microSD カードを Raspberry Pi にセットして起動することになります。


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